ここには日本が誇るモノ作りの
心地良い時間が流れていた。
奈良県桜井市、多くの古代遺跡を有する日本発祥の地。
この市街地から少し丘陵を登った緑豊かな地にカザマの本社工場があります。
工場内には、ミシンや金槌の打つ音だけが響いています。
職人たちが、寡黙にランドセルと真正面から向き合う時間。
慣れた手つきながら、慈しむようにミシンをかける職人たち。
穏やかな眼差しの中に、キラリと光るモノが見えました。
職人たちのランドセルへの愛おしさを感じた瞬間でもありました。
ここには日本が誇るモノ作りの心地良い時間が流れています。
心をこめて一つひとつ
「見てください、まるで新品みたいでしょう。」
そう言って嬉しそうに差し出すお客様の手には、
6年前に買った型崩れのない綺麗なランドセルがありました。
大切に扱ってくださったお子様と、私たちがランドセルに込めた想いが相まって、
買った当時のままのような姿で今ここにあります。
お客様の成長を見守ってこられたことは、ランドセルを作りあげた職人として、これほどの喜びはありません。
このランドセルは今も本社・桜井のショールームに大切に飾らせていただいています。
熟練職人の手作業
補強縫い
力のかかる部分には太い糸で補強縫いを施しています。
この補強縫いは、熟練職人による手縫いによるものです。
機械だけに頼らない、手間をかけたカザマのランドセル作り。
熟練の職人技が生きています。
耐久性と美しさの追及
ひだとり
カザマでは背ブタや背板のカド部には「ひだとり」処理をしています。
生地を細かく均一に寄せ、扇形に整えながらミシン掛けをします。
背面とマチ側両方の「ひだとり」はカザマだけ。
美しさと強さを併せ持つカザマのランドセル。熟練職人だからこその技です。
カザマのランドセルができるまで
当社のランドセルは生地の裁断から最終工程の検品まで工場内で管理しています。
ベテランの職人がお互いの工程を細かくチェックし、技術を高め合いながら仕上げているので、
安全で使いやすく型崩れしないランドセルを作ることができるのです。
無駄なく、丁寧に
大きく使う部位はコンピューターミシンで無駄なく裁断し、細かな生地は金型を用いて裁断します。
裁断をする際には型崩れを防ぐために生地の伸びない方向(生地の目)に気を付けます。
裁断したパーツは加工しやすいよう部分的に削いで薄くする、漉きといわれる工程を行います。
その後、各パーツに革専用の特殊な糊をぬり、貼り合わせていきます。
しっかりと、確実に。
貼り合わせたパーツをミシンで縫製する中間縫製を行います。
また強度が求められる肩ベルトなどには補強縫いを施します。
その後、縫製したパーツを組み上げ、鋲を使い強度を上げる金具を取り付けていきます。
心を込めて、皆様のもとへ。
ドイツ・アドラー社製の特殊ミシンを使用し、ランドセルをひとつにまとめ上げます。
仕上げに錠前をプレス機で圧着し取り付け、最後の仕上げに油分や糊などの拭き上げを行います。
検品が完了したものから箱詰めされていきます。